一般社団法人教育の未来プロジェクト

スキンシップなき教育の果て。

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スキンシップなき教育の果て。

スキンシップなき教育の果て。

2026/08/23

教育現場でのスキンシップは、原則禁止である。

 

そういう取り決め、というか暗黙の了解というか、お達しというか、そういった力学の下で教員は、児童・生徒へのスキンシップを自制している。

 

きっかけは「ハラスメント防止」にある。

 

いや、もっと直接的に言えば、教員の(特に男性教員の)女児や女生徒に対する性加害事件が続発しているからである。

 

メディアが、教員の児童・生徒に対する不適切行為を大々的に取り上げる。

 

すると「学校の先生の中には、こんなにもたくさんの異常者がいるんだ」といったイメージが世間に急速に広がった。

 

そこで、転ばぬ先の杖じゃないけど、「児童・生徒への一切の身体的接触をしない」という方向に、学校は舵を切った。

 

ボクの知り合いの教員が、中学女子に対して、テストの答案を返しながら「次はガンバレよ」と励ますつもりで肩に触れたら、それをはねのけられた。

 

ボクの知り合いの教員の、そのまた知り合いの教員が、女子児童の頭をチョコンと叩いただけで、保護者から訴えられた。

 

そんな類いの事象が、そこら中にころがっている。

 

女児や女生徒を自身の性的な対象として見ているであろう男性教員は、ボクの感覚でもかなりたくさん存在する。

 

かつては、教員が性加害者となっても、現場はそれを隠蔽していた。

 

いや、正確に言えば、隠蔽することが容易であった。

 

被害者の側に、世間の晒し者にされたくないという心理的恐怖があったから、隠蔽工作も成功したワケである。

 

ところが今は違う。

 

証拠をとって訴える。

 

訴えられた学校は、もちろん狼狽する。

 

「またか!」となる。

 

真面目に教育現場で奮闘している男性教員は、たまったものではない。

 

自身の児童や生徒に対する不用意な言動が、何かのきっかけで訴えられることも十分にあり得るからだ。

 

教員を対象とした損害賠償保険すら、事実、存在する。

 

疑われるだけでも「ダメ」な状況に、学校は変容したのである。

 

そこで学校、そして教員は「貝になる」ことを選択した。

 

手を出さない、もちろん足もださない、それに口だって滅多に出さなくなった。

 

これを「リスク回避」と称して、全教員に奨励した。

 

それでも男性教員の不祥事(性加害事件)は続く。

 

もう一度断わっておくが、それは何も今になって増えたわけじゃない。

 

昔からそんな類いの教員はたくさんいた。

 

それは間違いない。

 

問題なのは、そんなことをするワケがない…、という「潔白さ」を日々証明しながら教員を続けなけれえばならないということの異常性にある。

 

性的異常者が教員には(教員にも)多い、だから「異常者」であると思われないように身体接触を厳禁とする…、ことを学校は教員に強要する。

 

でも、これって、単なる「事なかれ主義」じゃないのか?

 

確かに性的異常者は多い…、けれども適度なスキンシップは、教育上必要だ。

 

どうしたらもっと自然に、教員と児童、教員と生徒が触れあうことができるのか…、それを考えるのが先だろう。

 

幼稚園や保育園では、もちろんいまだに愛着形成を基本に教育や保育が行われている。

 

つまり、子どもたちは濃厚なスキンシップの中で成長を遂げる。

 

幼児期に育まれた愛着は、すぐに「言語による信頼関係」へと置き換わるワケではない。

 

特に小学校低学年期は、まだ身体的な感覚を通じた安心感を必要とする過渡期である。

 

その過渡期にあって、学校は「ハラスメントリスクの回避」を先行して、教員から一切のスキンシップを取り上げた。

 

子どもの発達的ニーズにそぐわない「頭でっかち」な教育を施している。

 

そこに「愛着」の継続はない。

 

ボクは、個人的には愛着の形成には「思春期前期」…、つまり自我が十分に芽生えるまでの時間が必要であると思っている。

 

つまり適度なスキンシップは、たとえ中学生にでも有効であると考えるのである。

 

それは、現行の学校文化としては、とても怖い話でもあるが、現実に子どもたちはスキンシップ(じゃれ合い)を求めている。

 

子どもの健全なる発育は、まちがいなく他者との交流、他者との触れあいの中にある。

 

それを学校は、「たとえ身体的な接触がなくても豊かな心は育める」と強弁する。

 

おためごかしである。

 

学校生活から、教員と児童・生徒間のスキンシップがなくなった。

 

このことをもって、学校教育の半身が失われたと言っても過言ではないだろう。

 

不登校の遠因も、実はそんなところにあったりもするのではないか。

 

彼らこそ、ホントは濃密なスキンシップを求めているのではないか…、そのように想像してしまう。

 

もはや先生は、ロボットのような無機質な存在であることが求められる時代になった。

 

だって、ロボットは決して性加害者にはなり得ないからである。

 

 

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