不登校とシステムズアプローチ。
2026/06/20
ある特定の個人の悩みや問題を解決する心理療法のひとつに家族療法とうものがある。
システムズアプローチともいうこの療法では、悩みや問題を抱える「個人」にフォーカスをあてるのではなく、その人が所属する「家族」や「職場」などの集団(システム)全体に目を向けることによって、問題解決の糸口を見つけ出そうとするものである。
このシステムズアプローチを「不登校」という問題にあてはめてみよう。
すると、不登校の原因は「本人の心の中にある」とする従来の考え方が根底から覆される。
不登校の原因を、子どもの心にではなく、彼らが関わるシステム、つまり「家族」や「学校」における「人間関係のパターン」に求めることができるのだ。
ボクは子どもの不登校で悩む保護者との相談の中で、必ず子どもが関わる「家族」という領域にまで質問の手を伸ばす。
それはその子どもの「家族のカタチ」を知り、その家族が正常に「機能しているか否か」を確認するためである。
するととても興味深いことが分かってくる。
つまり不登校にある子どもが、なんと「家族の異常」「家族の歪み」を、その家族を代表してSOSで発信している…、という事実が分かってくるのだ。
前述したシステムズアプローチの世界では、このS0Sを発信する不登校の子どもを「IP」と呼ぶ。
「IP」とは、「Identified Patient」の略で、「一応の患者」とか「患者とみなされた人」という意味をもつ。
そしてこの「IP」を「問題のある人」として扱うのではなく、「家族システム全体の不調や機能不全を、目に見える『症状』や『問題行動』として、身代わりを引き受けてくれる人」として捉えるのだ。
さて自身の家族の中で、IPとして不登校という問題行動を起こしている子どもの内面を想像してみよう。
彼ら(彼女ら)は、家族の不調を訴えているのである。
だが思春期の只中にある彼らの胸中は複雑で、しかも言葉は、実につたない。
それでも彼らは「なんかおかしいぞ~」って体を張って訴えるのである。
その彼らの訴えに「はっ…」として気づいてあげることができる親なら…、
きっとそんな親であれば、まずは子どもの不登校を嘆く前に「家族の修復を図る」であろう。
けれども、そこにまで到達できない保護者があまりにも多い。
ボク自身、不登校に関わっている身として、誤解を怖れずに言う。
不登校児童・生徒の半分以上は、その根底に「家族の問題」を抱えている。
残念ながら、それが事実である。
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