威圧する先生、逃げる生徒。
2026/05/10
先生は威圧する。
特段に叱ったり怒ったりしていなくても、一部の生徒にとっては、先生は自分たちを威圧していると感じるのだ。
よくよく考えればわかる。
先生には予め「権力」が備わっている。ベテランの先生にも新人の先生にもすべからく「権力」の行使が保証されている。
クラスを取りまとめる…、授業を成立させる…、ルール違反を糾弾する…、そして子どもたちの安全を確保する…、そういった名目で先生は「権力」を振るうことを許される存在となる。
逆に言えば、先生が正しく「権力」を行使しなければ、生徒集団の秩序は簡単に崩壊してしまう可能性が高い。
だから先生は、権力を振るって威圧する。
問題なのは、先生に与えられた「権力」…、それを必要以上に振るってしまう一部の先生が存在することだ。
いや、今、一部の先生と言ったが、ホントは大半の先生が権力を無駄に行使している可能性が高い。というボクもかつて(若かりし頃)は、権力に酔いしれ、それを無駄に振るっていた時期があったからわかるんだ。
先生にとって「権力」を行使するということは、実はとても気持ちの良いもの。だって、たとえ未熟な自身を自認していても、権力下にある生徒は、みな自分に従順になってくれるからだ。
しかしその従順が、単に与えられた権力によってもたらされた結果であることすら、権力を振るう当の本人はすっかり忘れてしまう。
つまり、権力の旨みを知った「鈍感な先生」ほど、さらなる権力を無駄に行使し続けた状態で、ドーパミンが出まくった自身に酔いしれるのである。
そういった先生の実態を一部の生徒はよく見ている。
「また怒ってる」「また怒鳴ってる」…。「なんか機嫌が悪そう」…、そう、この機嫌が悪い状態を生徒に見せて、生徒がら従順を引き出すことも、実は権力の行使なんだ。
だからボクらは、権力の行使にはもっと慎重でなければならない。デリケートでなければならない。でなければ、生徒から「権力バカ」という称号を与えられてしまう。そのくらい「権力」っていうヤツは扱いが難しいのだ。
ところで、予め先生に付与されているこの「権力」は、いったい誰(何)によって与えられているのであろうか。
それを先生に与えているのは「権威」である。権威が先生の「権力」を正当化しているのだ。
ならば「権威」とは何か?
それは「学校」そのものであり、その学校の長である「校長」でもある。そしてその権威を最終的に担保することになる最上級の権威…、それが文科省、すなわち国家である。
だから、このように重層的に保証された権威の下で、先生は昨日も、今日も、明日も「権力」を振るう。そしてそれが学校の「正義」となる。
しかしその構造に「すっかり嫌気を感じている」子どもたちがいる。
それが不登校児童・生徒である…、とボクは睨んでいる。
彼ら不登校の子どもたちは、先生から発せられる恒常的な「威圧」を前にして、初めのうちは言葉では表すことができない息苦しさを感じている(きっと)。そしてその息苦しさが徐々にストレスへと変化し、彼らの学校に対する不信へとつながってくのだとボクは思っている。
不登校の子どもたちは、不思議だけれども「敬語」を使わない。使えないのではなく、使いたがらないのだ。しかし、これを大人を相手としたコミュニケーション能力が不足しているからだ…、と断じるのは少し違う気がする。
彼らはたとえ年上(大人)であっても、常にフラットな関係性でありたいと願っている節がある。だからボクなんかとも徹底的に「タメ語」で喋る。タメ語で話して、そして相手の反応を見ている。で、「この人なら大丈夫」と思った大人となら徹底的に付き合う。
たぶん日常的に「安全な大人」を探し続けているんじゃないか…、そんなふうにボクは思っている。
つまり、そんな心境にある彼ら(不登校児童・生徒)にとっては、学校も先生も、単に高圧的に自分に迫ってくる「敵」でしかないのであり、そんな「敵」からは一刻も早く逃げ出したいと思っているに違いない。
それでも今日もまた先生は「威圧」する。「権力」をかざす。その威圧に嫌気がさして、またはその権力に怯えて学校生活を送っている子どもたちがいることなんか微塵も気づかないまま、先生は生徒を威圧する。
そして社会でもまた、圧倒的多数の大人たちが、圧倒的少数の子どもたちを「威圧」し続けている。
その結果、子どもたちは「逃げる」ことを選ぶ。
学校から逃げる。社会から逃げる。
こうして今日もまた、不登校児童・生徒が誕生するのである。
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