不登校生徒…、今日も学ぶ。
2026/04/18
小さな塾をやっている。
木曜日…、その日は不登校状態にある中学生が3人集まる日である。
殊更に「不登校児童・生徒」を募っているわけではない。たまたま、何かのタイミングで「不登校」になっただけのことである。
で、その中学生らからボクは「驚愕の事実」を突きつけられた。
太陽はどの方角からのぼってくるのか? 「指で指し示してみて…」
その結果、三人三様。彼らの指先は三方向に分れた。「東」以外の三方向だ。
太陽が(ほぼ)東からのぼってくることを、彼らは知らない。もちろん(ほぼ)「西」に沈んでいくこともしらないワケだ。
これは一大事…。
ボクは、翌週の木曜日、通常の時間とは違った午後5時に、3人の中学生を集合させた。で、車に乗せて近くの高台にある「展望台」に連れていった。
そこは周囲からは30メートルほど高い山の頂上で、設置されている展望台からは、西に関東山地(秩父連山)が見渡せる。
神奈川の大山から東京の青梅、埼玉の秩父を経て、群馬の妙義山系まで続く、大パノラマを展望できる絶景のポイントだ。
6時05分…。太陽が秩父の武甲山の脇に迫っていた。もうすぐ「日の入り」だ。
「動いてる…」と一人が言った。「何が?」とボクが訊く。
「太陽が動いてる」「違うよ…、地球が動いてるんだよ」と別の一人が訂正した。
その日の日没時刻は、午後6時15分。
太陽の放つ最後の光が武甲山の横にゆっくりと消えていった。
6時12分。
「ん? 3分早いぞ」とボクが言う。「ホントだ。6時12分に沈んじゃった」3人が訝しがる。
ボクがそのカラクリを教える。
「本当の日没(日の入り)は、「水平線か地平線に太陽が完全に沈んだ時なんだよ」
「山の向こうに隠れただけじゃダメなんだね」…、皆が納得した。
その同じ光景を、少し離れた場所から眺めていた若い男性がいた。彼はバイクでこの展望台前までやってきていた。
「カッコいいバイクですね…」「あっ、ありがとうございます」「400㏄くらいかな?」「いえ、600㏄です」
中学生がボクたちを取り囲む。見知らぬお兄さんに声をかけたボクが不審に見えたのであろう。
「この子たち、日の入りを見たことがないって言うんで連れてきたんです」
「ほぉ、学校の先生ですか?」「いや、小さな塾のオヤジです」
「みんなは何年生?」
「中学2年になりました」一人が快活に答える。
「中学2年か…。数学では方程式を学んだくらいかな?」
「えっ…、それ訊いちゃいます?」ボクが突っ込んだ。
「ボクたち不登校なんで、それには答えられないんですね」また別の一人が言った。
「へぇ~、不登校ですか…」「えぇ、明るい不登校生たちです」
「何だか、ホントに明るいですね」「明るい不登校はこれからのトレンドですよ(笑)」
すっかり辺りは暗くなってきた。
今日も彼らは学んだ。
それでいいと思う。
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